優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】
ーーキーンコーンカーンコーン
他愛もない話をしながら過ごして居ると、チャイムが鳴った。
初めて授業をサボったけど、この時間の為なら惜しくない。
「戻るか」
「うん」
私は基槻に差し出された手を握った。
けど、基槻は繋ぎ方を変えた。
俗に言う恋人繋ぎ。
私は基槻を見上げた。
「……基槻の隣が私なんかで良いのかな?」
「何ダソレ。俺は遊なきゃしないから」
「――っ゛!;;」
私は真剣な顔付きで言われた為、顔が赤くなった。
繋いだ手が湿った気がして離そうとしたけど、基槻が離させてくれない。
「簡単に俺から離れられると思うなよ?」
「…離れないよ。ただ、恥ずかしくて、手汗が…」
私がモジモジしながら言うと、基槻が「ぷっ!」と、笑った。