優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】
私はお兄ちゃんの肩に顔を埋めた。



「気付いてやれなかったお兄ちゃんが一番、悪かった…」



必死に首を左右に振った。

お兄ちゃんは何も悪くない。

いつも良くしてくれてる。

私を養ってくれてる事に、たくさん感謝もしてる。

なのに、仕事を早退させてしまった。

一生懸命、働いてくれてるのに、私が原因で。



「遊は悪くないから泣き止むんだ」



お兄ちゃんは私を離すと、「みんなの前でブヒブヒ泣くな(笑)」と、私を笑わせようと、鼻を摘まんで来た。

バシッとその手を叩き、基槻のお母さんに頭を下げる。

私の為に、怒ってくれたから。
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