ラブソング
話し声も綺麗過ぎるオトだ。


「いいじゃない!上手いわ。・・・観客がお一人増えてるみたいだけど?」


奥にいる女は妖艶な笑みを浮かべながら俺を指差した。


ホンジョウキサが勢いよくこちらを見る。


「えぇ!?」


ボンッという効果音が出そうなほど一気に赤くなる彼女を見て、歌通りだと思った。


顔の熱を冷まそうと必死で手で顔を扇いでいる。


涙は、少しずつ退いていく。


「あなた、『JUMP』よね?」


余裕そうな顔からマッチした余裕の声が俺に投げかけられた。


「えぇ!?そうだったの!?」


落ち着いた声の次にホンジョウキサの声。


彼女もまた、俺等と同じ、音楽にしか興味がないのかもしれない。


そんな時、リンとユサの声が耳に届いた。


「イクっ!!何してんだよ!?」


「いきなり出て行くなよ!!」


二人とも肩で息をしながら俺の顔を見てギョッとした。


「おまっ!!んで泣いてんの!?」






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