空を散歩する
[第一章]

・降水確率70%



「おい、沢村!男が呼んでんぞーっ!」


クラス一のお調子者が大声で叫ぶと、教室が騒然となる。


一昨日から降り続く雨の音すらかきけす、からかいと冷やかしを浴びるわたし・沢村雪乃(14歳)。


な、なに?


なんなのよ⁉


みんなこっち見てるし‼


「早く行かねーと男が逃げるぜ!」


喋ったこともない男子が、わたしを急かす。


一体、他のクラスの誰が、わざわざ呼び出しに来たのか、色目きたつ女子。


もうやだー!


わたしがなにをしたのよ‼


波風立てない!がモットーなのに、わたしが1番嫌いな[注目]浴びたくってるじゃん!


頭を抱えて机に伏せたが、騒ぎはおさまりそうにない。


第一、わたしは呼び出される覚えはない。


一体、誰がなんの用で?


そんなの決まってる。いくら彼氏いない歴14年のわたしにだってわかる。


こ、告白だ!


告白というやつだ!



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