空を散歩する
となると誰が?
それは気になるところ。実は、胸がドキドキしすぎて、
わたし、立てないの。
だって初めての告白ですぞ。しかもクラス中、明日には学校中に知れ渡るだろうし。
でも気になるのが、乙女心というやつ。
ガバッ。
勢いよく立ち上がり、ヒューヒューとはやしたてられる花道を駆け、
ゴクリ。
つばを飲み込み、廊下に出ると、そこにいたのは……。
「え?誰?」
思わず本音が漏れる。
そこに立っていたのは、なんとも冴えない男。背だけは高いが、ふつーの黒髪に黒ぶちメガネ。それなのに、どこかで見たような?
「三年の神木泰男だけど」
「神木……」
ああ!
心の中で合点がいった。
学校一の秀才、神木様だ。
で、神木様がわたしに、告白ぅー?