空を散歩する


レイラと呼ばれた黒翼が、食事の用意を指示する。


小声で、


「糖分は控えるように」


と。


一つ咳払いしたのち、


「サリナム様、この者どもの処分はいかがなさいましょう?」


「ん?」


面倒臭そうに高みから見下ろす、いいところ8才の王子様。


わたしは目が合ったので、ニッコリ微笑んだが、


「じゃ、死刑で」


アッサリそう言うと、取れた鼻くそを、指でピーンと飛ばした。


「ちょっと待ちなさいよ!」


「なんだ?」


「どうしてこんなことで死刑なのよ!冗談じゃないわ!」


「お前のせいで、今年はサンタが下に降りられないじゃないか」


「まさか、雨のせいで?」


「そう。あーあー、みんなプレゼント待ってんのになー」





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