空を散歩する
「どうやってって……」
一旦、沢村雪乃と目を合わせから、
「彼女、飛べるんです」
「そんな……人間なのにか?そうか!だからファーガルが守られた。ファーガルはこの宮殿から離れると、ましてや下界に行けば、卵のまま死んでしまう。そうなれば世界は滅びていた」
「滅びて……」
ポツリと呟いた沢村の顔から、血の気が引いた。
「お前の力が護ったのだ」
「じ、自業自得ね」
「逆だよ」
オレは短くツッコミを入れた。
なかなか間抜けな一面もある。って、悠長なこと言ってられない!
「なんとか帰らせて下さい!もう二度と悪さはさせませんから!」
「なによそれ?わたしが悪いっていうの?」
「そう」
「……そっか」
力なく笑った。