空を散歩する


「どうやってって……」


一旦、沢村雪乃と目を合わせから、


「彼女、飛べるんです」


「そんな……人間なのにか?そうか!だからファーガルが守られた。ファーガルはこの宮殿から離れると、ましてや下界に行けば、卵のまま死んでしまう。そうなれば世界は滅びていた」


「滅びて……」


ポツリと呟いた沢村の顔から、血の気が引いた。


「お前の力が護ったのだ」


「じ、自業自得ね」


「逆だよ」


オレは短くツッコミを入れた。


なかなか間抜けな一面もある。って、悠長なこと言ってられない!


「なんとか帰らせて下さい!もう二度と悪さはさせませんから!」


「なによそれ?わたしが悪いっていうの?」


「そう」


「……そっか」


力なく笑った。





< 27 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop