空を散歩する
「サリナム様、わたくしからもお願いします。この者どもに悪意はありません。ましてや[ファーガスター]の血が流れているかと」
「ファーガスター?」
「お母上と同じで……」
レイラはなぜか言葉尻を濁した。
サリナムの幼い顔がサッと歪む。
「ダメ、死刑」
「しかしサリナム様ーー」
「お前も死刑にされたいのか!」
怒りというよりは、子供が駄々をこねているようで、目に涙を浮かべて、
「死刑死刑死刑!」
「ちょっと待ちなさいよ!」
「なんだよ!死刑は痛いぞ!」
「あんたバカじゃないの?人の命なんだと思ってんのよ!そんな軽いもんじゃないのよ!」
「あ、口答えしたな!一番ひどいやつにしてやるからな!」
「えらっそうに!チビ!クソチビ!翼も生えてないくせに!」
沢村が怒鳴ると、場が凍りついた。