空を散歩する
獲物を飲み込むどころか、ファーガルが口から放った光を飲み込み、ラミーアは体を限界まで膨らませ、
……消滅した。
「やった……」
波打つ泉で、頭からずぶ濡れになったが、そんなこと構いはしない!
「なんという力だ」
立ち上がったレイラと共に、ビッシャビシャに濡れて倒れている先輩を通り過ぎる。
無邪気なファーガル。
ようやく飛び方をつかんだのか、クルクルと回っている。
「可愛い」
わたしの肩や頭にとまり、クゥキュウと鳴く。
「お前のこと母親だと思ってんじゃないの?」
「うそ、可愛い」
「いや、可哀想の間違いだな」
「なによ、失礼ね!」
「卵から孵ったらもう心配はない。さぁ、帰るぞ」
レイラがフワリと飛び上がる。
わたしと先輩が後に続き、1番後ろからファーガルがついてくる。
桃色の空を、わたしたちは楽しく飛んだ。