空を散歩する
「サリナム」
わたしは真っ直ぐサリナムの、まだあどけない目を見た。
「寂しいんでしょ?」
「寂しくなんかない!」
すぐに答えが返ってくる。
やっぱり…。
「寂しいんだ。お母さんもお父さんも居ない。同じ年の友達も居ないし、みんな、あなたを怖がってる。だから孤独なんだよ」
「孤独……」
「わたしもね、気持ちはよく分かる。でも、わたしが戻らないと、もっと寂しい人がいるんだ」
「じゃ、ここには住めないんだな?」
サリナムの目に、フッと寂しさがよぎる。
「でもね、サリナムは独りじゃないよ。あなたのこと、心配してくれている人がいるもん」
わたしは、脇に立っていたレイラを見る。
それにつられるサリナム。
「レイラ」
「はい、サリナム様」
「お前は僕が心配なのか?」
「……はい。心から案じております」