空を散歩する


なにやら遠い目をして考え込むサリナム。


その表情は、大人びて見えた。


そうやって難しい選択をしいらされてきたに違いない。本当ならまだ遊びたい盛りだというのに。


長い沈黙。


だが、決して重苦しいものではない。


だってサリナムの顔が、とても優しくーーー、


♪♪♪♪♪♪


携帯の着信音が響く。


「なんだ!何事だ!」


ざわつく一同。


「電源切っときなさいよ!」


「また化け物に襲われるかわからないだろ!念の為に……もしもし?」


「ったく!でもさ、よく電波が通じるわよね、こんなところまで」


「え?もう帰るから!あと少ししたら!」


懸命に弁解をする、神木先輩。


帰りを待ってる人がいるじゃない。


じゃ、さっきは本当に庇ってくれたのかしら?


ボンヤリと横顔を見つめていると、


「それを奪い取れ!」


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