空を散歩する
サリナムの命で、携帯が没収されてしまった。
「レイラから聞いたぞ。これでラーミアを退治したらしいな。一体なんだこれは?」
首を傾げ、四角いスマートフォンを振っている。
「それは携帯電話といって、離れたところにいても、いつでも話ができるものです」
「動かない」
「僕しか動かせないかなぁ」
(ロックかけたんだ)と、先輩が耳打ちしてきた。
「それあげるから、僕たち帰ってもいいですか?雨も止めて下さい。それがあれば、いつでも僕たちと会うことができるし」
「ん~、でもなぁ」
まだ渋るサリナムに対し、
「これ、ゲームとかもできるんだよね」
携帯の操作方法を教えてやると、見る見るうちにサリナムの顔が輝く。
もう完全に子供の顔だ。
「うわぁー!これスゲー!」
「面白いだろ?」
「人間てスゲー!」
「じゃ、帰ってもいい?」
「いいよ!」