君のとなりに在りたい
(あの方向は…学校に行くのかな…)
そう推測すると今は朝で多分平日だろう。
“誰かに会いたい。”
ならばここからは家よりか学校の方が近いし確実性もある。
(もしかしたら友達に会えるかもしれない。誰もあたしは見えないだろうけど、それでも会いたい)
“誰か”という曖昧な気持ちしか湧かなかった。
本当は誰に会いたかったのか、何の思いにすがり付きたいのか。
何を期待しているのかはっきりしないまま、徒歩では30分以上はかかる道のりを、透明なあたしはゆっくりと歩いていった。