君のとなりに在りたい

(あの方向は…学校に行くのかな…)


そう推測すると今は朝で多分平日だろう。


“誰かに会いたい。”


ならばここからは家よりか学校の方が近いし確実性もある。

(もしかしたら友達に会えるかもしれない。誰もあたしは見えないだろうけど、それでも会いたい)

“誰か”という曖昧な気持ちしか湧かなかった。


本当は誰に会いたかったのか、何の思いにすがり付きたいのか。


何を期待しているのかはっきりしないまま、徒歩では30分以上はかかる道のりを、透明なあたしはゆっくりと歩いていった。

< 13 / 16 >

この作品をシェア

pagetop