大切以上。

「僕、領っていうんだ。きみは?」
「……」
「ねえ、そのうでの青いの、痛そうだねえ…」

萌の体には、痛々しいあざや傷がいたる所にあった。

「ここも、痛い?」
「…っや」
そこに領が手を伸ばすと、
萌は身を固くした。

「…ごめんね…。泣かないで…。痛いの…?」
「ぜんぶぜんぶ、痛いの…」



子供は、どんな目にあっても、頼るしか生きていけない…


< 4 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop