先生に囚われて
この場所は特別教室や教科準備室がある校舎裏で人通りはほとんどない。そのうえもうすぐお昼休みが終わる時間で生徒は周りに一人もいない。
だけど、校舎内にはいるんだよ。
「佐伯先生ー」
突然、上を向いて声を張り上げた私につられて三人も見上げるように顔を動かす。
雅先輩は状況が理解出来ないみたいで、瞬きを数回繰り返しただけだった。
だけど、後の2人は様子が違う。
「なんだよ、もう授業始まるからお前たちさっさと教室行けよ……」
見上げた校舎の窓の一つから顔を出したのは私が名前を呼んだその人。
りぃ君が面倒くさそうに声を出すと、先輩たちは明らかに動揺していた。
罰の悪そうな、気まずい空気。
当然だよね。誰だって見られたくないよね、こんな場面。
相手が教師だからじゃない。
好意を向けてる人だからだ。
だけど、校舎内にはいるんだよ。
「佐伯先生ー」
突然、上を向いて声を張り上げた私につられて三人も見上げるように顔を動かす。
雅先輩は状況が理解出来ないみたいで、瞬きを数回繰り返しただけだった。
だけど、後の2人は様子が違う。
「なんだよ、もう授業始まるからお前たちさっさと教室行けよ……」
見上げた校舎の窓の一つから顔を出したのは私が名前を呼んだその人。
りぃ君が面倒くさそうに声を出すと、先輩たちは明らかに動揺していた。
罰の悪そうな、気まずい空気。
当然だよね。誰だって見られたくないよね、こんな場面。
相手が教師だからじゃない。
好意を向けてる人だからだ。