先生に囚われて

「応援する！サエちゃんとのこと」

「えっ」

「それと……、この間はごめんなさい。颯くんとのこと勝手に疑って、勝手に逆恨みして。殴ったのも、ほんとにごめんなさい！！」


ガバッ

と身体を直角にして深く頭を下げた雅先輩に、どうしていいのか分からずオロオロと戸惑う。


「あ、いや、あのっ」

「頬、痛かったよね。ほんとにごめん……」


雅先輩は真剣に謝ってくれてるのに、私は不謹慎にもその頬の傷のことを思い出して顔が真っ赤になってしまった。




あの時……、

殴られたあと、意識が朦朧としてる私を家に連れ帰ったりぃ君が、

赤くなって腫れ、しかもうっすらと出血している頬を見て、苦々しく顔を歪めた。


そして、

舐めたのだ。

『ちょ……、くすぐったいっ』

『うるせぇ。消毒だろうが』


思い出し恥ずかしくなって赤面して俯く私の横から、フッと鼻で笑った声がした。