先生に囚われて
わ、笑った!?
誰のせいで……っ!

苦い表情でりぃ君を見ていたら、


「そういえば、サエちゃん。私が普通に立ってること、驚かないんだね?いつ怪我してるのウソだって気づいたの?」

という雅先輩の声で視線を移す。


「ん?ああ、あの窓ずっと開いてっから、怪我してないのは知ってた」

「え?でも、窓から顔出した時は知らないっぽいかんじで……」


不思議そうにりぃ君を見上げる雅先輩に、りぃ君がチラッ窓を仰ぎ見る。


「こいつが呼んだ時、ちょうど他の先生が入ってきたんだよ。 何も知らないふりして怪我の心配してるように振る舞わなきゃおかしいだろうが」

「あ、そうだったんだ」

「だから実際は怪我してねぇのも、あいつらがまたくだらねぇことやってるのも知ってた」


少し目を見開き、驚きつつも納得の表情を雅先輩が浮かべる。


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