先生に囚われて
夏の赤い線
一学期も終わりに近づいてきた今日。
期末テストの一週間前なので、屋上で過ごすのはやめて教室で勉強をしていた。部活も休みで周りのみんなも勉強に集中……はしていなかった。
賑やかな声につられて教室から校庭を眺めると、サッカーをして遊んでいる数人の男子生徒の姿が目に入る。
あ、颯だ。
ボールを追って走る姿と、たくさんの友達に囲まれて楽しそうな彼をぼんやりと見ていた。
周りの友達が私に気づいて、颯汰郎に話し掛けながらこっちを指差している。
「うたー!」
振り向いた颯汰郎が笑顔で大きく手を振ってくれた。
ふふっ、犬みたい。シッポが見える気がする。
目を細めて手を振り返すと、颯の周りから歓声が上がった。
怖……!
な、なに……っ。
ザワザワと騒ぐ男の子たちに颯が威嚇するように声を出していると、その集団に近づく影があった。
「サエちゃーんっ!こっちこっち!遅かったなー!」
期末テストの一週間前なので、屋上で過ごすのはやめて教室で勉強をしていた。部活も休みで周りのみんなも勉強に集中……はしていなかった。
賑やかな声につられて教室から校庭を眺めると、サッカーをして遊んでいる数人の男子生徒の姿が目に入る。
あ、颯だ。
ボールを追って走る姿と、たくさんの友達に囲まれて楽しそうな彼をぼんやりと見ていた。
周りの友達が私に気づいて、颯汰郎に話し掛けながらこっちを指差している。
「うたー!」
振り向いた颯汰郎が笑顔で大きく手を振ってくれた。
ふふっ、犬みたい。シッポが見える気がする。
目を細めて手を振り返すと、颯の周りから歓声が上がった。
怖……!
な、なに……っ。
ザワザワと騒ぐ男の子たちに颯が威嚇するように声を出していると、その集団に近づく影があった。
「サエちゃーんっ!こっちこっち!遅かったなー!」