先生に囚われて
やっぱり歌もそこに反応したか。
誰かと自分の共通点を見つけるのが嬉しい歌は、以前も俺と名前の“う”の音が同じなことを見つけて喜んでいた。
ただ、理一の髪の色は染めているので本来とは違う。
理一もそれをわかっているから、素直な歌に戸惑っているみたいだ。
どう返すんだ?
「あぁ、色同じだな。けど歌は俺より綺麗な髪してんな」
そう言って優しく笑いかける理一を歌は真っ直ぐに見つめて、それから「う、うん」と照れながら視線を逸らす。
俺の身体の影に隠れるように、理一から少し距離をとった。
……歌?
人見知りをしない歌の意外な行動になんだか胸に一瞬覚えた違和感は、歌が俺の手を握ったことですぐに消えてなくなった。
「歌!俺は!?俺と同じとこはねぇの!?」
「なっちゃんはない」
がーん、と口に出しながらわかりやすく落ち込む那鶴を、歌は面白いものを見るように眺めていた。
「……じゃあ、恭弥はあるのかよ〜」
「恭弥と歌は名前に同じ“う”が入ってるよ!」
「う?」
「恭弥?」
誰かと自分の共通点を見つけるのが嬉しい歌は、以前も俺と名前の“う”の音が同じなことを見つけて喜んでいた。
ただ、理一の髪の色は染めているので本来とは違う。
理一もそれをわかっているから、素直な歌に戸惑っているみたいだ。
どう返すんだ?
「あぁ、色同じだな。けど歌は俺より綺麗な髪してんな」
そう言って優しく笑いかける理一を歌は真っ直ぐに見つめて、それから「う、うん」と照れながら視線を逸らす。
俺の身体の影に隠れるように、理一から少し距離をとった。
……歌?
人見知りをしない歌の意外な行動になんだか胸に一瞬覚えた違和感は、歌が俺の手を握ったことですぐに消えてなくなった。
「歌!俺は!?俺と同じとこはねぇの!?」
「なっちゃんはない」
がーん、と口に出しながらわかりやすく落ち込む那鶴を、歌は面白いものを見るように眺めていた。
「……じゃあ、恭弥はあるのかよ〜」
「恭弥と歌は名前に同じ“う”が入ってるよ!」
「う?」
「恭弥?」