先生に囚われて
それから二人は何度もあおぞら苑に遊びに来るようになった。
俺は那鶴に紹介してもらって、バイクの中古車販売店のツテで整備工場のバイトをさせてもらっていた。
俺がバイトでいないことが多いから、代わりに理一や那鶴が施設に顔をだしてくれることも増えた。
「りぃ君〜!」
「おう、歌。今日なんかテンション高ぇな」
「うん!聞いて聞いて!」
今日も学校帰りに来てくれたりぃ君を玄関まで迎えに行くと、りぃ君が靴を脱ぎながらこっちを見た。
毎週金曜日はバイトでいない恭弥の代わりにりぃ君となっちゃんが会いに来てくれる。
「あれ?なっちゃんは?」
「あぁ、あいつ遊びすぎて期末で赤点とって今日から補講」
「ほこう?」
「居残り勉強ってこと」
いたずらっ子のようにりぃ君が笑うから私も楽しくなってつられて笑ってしまった。
「なっちゃん困ったさんだね〜」
「な?バカで困るな」