先生に囚われて
世界から色が消えた


「いくら付き合ったからって歌に手ぇだすのはまずいよな……」


私の首元に顔を埋めながら恭弥が困ったような残念そうな声を出す。


……付き合った。

そ、そうか!私、恭弥と付き合うことになったんだ!

自分の身に起こったあり得ないような急展開に一人あたふたしている私に気づかず、「お前、まだ中1だしな」まだ恭弥はしょんぼりしていた。


「そ、そうだね!恭弥ロリコンみたいだもんね!」


恥ずかしさを誤魔化すために言った私の軽口に恭弥は想像以上にショックを受けた。


「ロリ……まじかよ!違ぇよ、いや違くないけど違ぇ!!」

「わかってるよー」


ムキになる恭弥が子どもの私よりも子どもっぽくて、可愛くて笑ってしまった。

8歳の差は、小さかった私にはとんでもなく大きくて、今でもそんなに変わってないと思っていたけど、

初めて恭弥が可愛いと思った。

初めて歳の差を感じなかった。


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