先生に囚われて
訳が分からずただ見つめていると、眉間に皺を寄せたりぃ君が、


「なんだよ、先生って」


低い声で唸るように言葉を落とす。


その声は全身に鳥肌がたつほど艶があり、不機嫌なのを分かっていても気持ちが沸き立つ。

ああ、名前を呼ばない事に対しての苛立ち、か。

ズルイなー……。


反論なんて、出来ないような空気。



だけど、

りぃ君と私は、今日学校で会ったその瞬間から、

教師と生徒なのだ。


「だって、今日から私の学校の先生なんでしょ?」

「は?」

「もう、帰ります。生徒がいていい場所じゃないんで」



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