先生に囚われて
……そして、あのクリスマスの日にりぃ君と目が合ったときだって。

その隣には女の人がいた。




「今までそうやって適当に遊んで生きてきたことを……俺はやっと後悔したんだよ」



フッと柔らかい空気に変わったりぃ君が、腕の力を緩めて私の頭を優しく撫でてくれた。


え?なんて……?

りぃ君……?


顔を少し上げてりぃ君を見ると、頭を撫でていた手が今度は顔のほうに移動し。

りぃ君の両手で私の頬がすっぽりと覆われた。



「歌と3年ぶりに会ってから……一途にあいつを想うお前を見てると、どんどん自分の行動がバカらしくなった」


いつもより温かいりぃ君の手が私の全てを包んでいく気がする。

絡む視線は、逸らすことを許されない。


「あいつのために泣くお前にムカついて」

「……え」

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