先生に囚われて
「……離して、下さい」

「無理」

「先生……私、帰ります」

「帰さない」

「でも」

「でもじゃない」


チャイムの音が鳴り続ける中、お互いの声がやけに鮮明に耳へ届く。


玄関のドアを一枚隔てた向こう側には、りぃ君を訪ねてきた誰かがいるのに……。

埒のあかない攻防と、諦めないチャイム音に終わりが見えない。

いい加減、外に出なきゃ。



そう思って鍵を回した、その瞬間。


ガチャン―――

待ってましたとばかりに、勢いよく引かれたドアに掴んでいた手ごと身体を持って行かれた。



―――っ!!

倒れるっ


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