先生に囚われて
街中を少し抜けて、小高い丘まで車でやってきた。


ここには初めてくるから、景色のいい場所に驚いてきょろきょろよそ見をしていると、

「何してんだ、早く来い」

呆れたりぃ君が手を引いて前を歩いていく。


「りぃ君……いい場所だねー」

「そうだな」



燦々(さんさん)と降り注ぐ太陽の日差しのもと、そこにあった。


色とりどりのお花に囲まれたーーー恭弥のお墓。




「ここが……」


雑草や汚れはぜんぜんなくて、とても綺麗だったけど。

私もりぃ君に倣って一緒に掃除をしたりお水で綺麗にしてから、持ってきていたお花を飾る。


「恭弥……遅くなって、ごめんね」


ここに来るのに、3年もかかってしまった。

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