先生に囚われて
恭弥はりぃ君が施設に来るのと同じくらい、りぃ君のお家によく遊びに行っていた。

りぃ君の家族とも仲が良くて、中でもおじさんには息子同然に可愛がってもらっていた。


だから、恭弥が亡くなったとき、その死を(いた)んでおじさんがお墓をたててくれた。


恭弥だけが眠るーー斉藤家の墓。と書かれたその墓石はとても立派な佇まいで、小高い丘の上にある見晴らしの良い素敵な場所にあった。






あの日。


恭弥が亡くなった日は、今日の抜けるような青空と照りつける太陽が眩しい夏の日とちょうど真逆の……静かに全ての音を飲み込むように深々と雪の降る日だった。


1月15日は、私の誕生日だった。


クリスマスのときに見たりぃ君と彼女の姿がずっと忘れられずにモヤモヤする日々だったけど、恭弥といることの心地よさと安心感に少しそのモヤモヤが消える気がしていた。

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