先生に囚われて
涙が溢れた。
音もなく、はらはらと伝い落ちるそれをりぃ君が笑って、顔を近づけてきた。
手の甲ではなく今度は唇に。
「しょっぺぇ」
文句を言いつつ舐めるようなキスをくれた。
「歌……返事は?」
「……っ、私も!」
「ん?」
「私も……好き」
恭弥、許してくれる?
あなたの見てる前で、こんな不埒なことをする私たちを。
心の中でそっと問いかけると、一瞬だけ。
頭の上に、わずかに重みを感じた気がした。
……懐かしい、恭弥に頭を撫でてもらったときの感触を思いだした。
「りぃ君が好きです。大好き」