先生に囚われて
「え?」

3人の視線が一斉に女性に向けられる。
私たちの机の横には綺麗な女の人が立っていた。


清楚なワンピース姿で明るめの長い髪を緩く巻いたその女性は、

りぃ君のマンションのエントランスで見たその人だった。

……どういう。


「あれ?きみは〜」

なっちゃんが声をかけたとき、
りぃ君が女の人も私たちも全て無視して突然電話をかけはじめた。


「……おい、てめえどういうつもりだ」


電話相手に唸るような声を出すりぃ君に、私となっちゃんは顔を見合わせて首を傾げ、

女の人は困ったようにりぃ君を見つめていた。


「歌、帰るぞ」

電話を終えたりぃ君が急に立ち上がって、まだご飯も食べてないのにそんなことを言いながら私の手を掴む。


「え?えっ?りぃ君……?」

「は?おい、理一!?」

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