先生に囚われて
首に舌が這っていき、開いた胸元に唇を感じた。


「歌……これから先は、もうお前しか抱かねえ」

「……うんっ」


ちゅっ、とリップ音と同時に微かな痛み。

……あ。

りぃ君が私に痕をつけたのは初めてだった。


いつも、私だけが醜い嫉妬と独占欲でりぃ君の背中に痕を残していたけど。

りぃ君も、そう思ってくれてるの?



「歌、お前に俺をやる」



ああ、何でりぃ君はいつもいつも……っ。
そうやって私の欲しい言葉がわかるんだろう。


「そんな大切なもの……貰っていいのぉ?」

「ああ。その代わり」

「え?」



ーーーその代わり、りぃ君が要求したのは。


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