先生に囚われて
「は〜、やっと帰ってこれた〜」

りぃ君の家の玄関先で、ようやく落ち着けたと息を深く吐き出す。


「まじで耳がおかしくなるかと思った」

「もう、りぃ君のせいだからねっ!なんであんな……」


靴を脱ごうとしていた動きを止めた。


「言っただろ、お前に俺をやる。その代わりに……」


肩に回されたりぃ君の左腕に囚われて、



ーーーーお前の苗字を変える権利をもらう。



耳に甘い声が吹き込まれ、腰が抜け落ちた。

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