先生に囚われて
一度目は、生まれたときについた苗字から、"宮野"に変わった。


そして二度目に、私の苗字は"佐伯"に変わる。




冷たい床に背中がついているのに、身体は嘘みたいに熱い。

靴を脱ぐことも忘れ、ここが玄関であることも気にせずに……私たちはただ、キスに溺れた。


人生で最後に着た制服は、大好きなりぃ君に全て脱がされた。

自分もまだ、教師のときのスーツを着たままのくせに。



ああ、なんて悪い先生なの……。

私を誘惑して、その気にさせて、りぃ君以外なにも考えられないようにドロドロに溶かしてくる。
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