先生に囚われて
「はっ、ざまあみろ」

「そんな醜い顔で校舎内うろつかないでよね」


今まで金髪の先輩の後ろで、気持ちの悪い笑みを浮かべて私を見ていただけの2人が、ここに来て喋りだした。

私を嘲笑うための汚い言葉を、なんの躊躇いもなく吐き出す。

悲しい人たち。



だけど、金髪の彼女だけは違った。


嫉妬に濡れた瞳で力強く私を睨み付けながら、


「もうっ…、颯くんに近づかないでよ……っ!」


震える声でそう言ったのだ。

彼女の颯汰郎への想いは他の2人とは違うらしい。

殴られたのはムカつくけど、この人にだけは誠意を持って接したい。


だから私は、彼女の言葉にだけ返事を返す事にした。



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