先生に囚われて
はぁ、と金髪の先輩が目の前で大きなため息を吐いた。
それにどうしたものかと、戸惑う。


だけど先輩は私の気持ちを理解してくれたらしく、少し悔しそうな色を含んでいたけど、納得してくれたみたいだった。



「分かったわよ」


そうぶっきらぼうに呟いてから、私の頬に視線向けた。


「……その傷」

先輩の言葉は途中で切れてしまったけど、
その瞳には後悔が見て取れた。


「別に、気にしてません」


跡が残るほどの傷でもないし。

まあ、痛いけど。痛いんだけどね。

そこ忘れないでね。


私と金髪先輩の間に刺々しい空気が消えた、その時。



「ちょっと(みやび)!!あんた何やってんのっ!?」


すっかり忘れていた人が、金切り声でその存在を主張した。


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