先生に囚われて
芽生える感情
ガヤガヤと人の行き来が多い昼休み中の廊下を、器用に小走りで通り過ぎる。
目当ての人物がいないか、視線を彷徨わせるけど姿が見えない。
おっかしいなー。
歌のヤツどこ行ったんだ?
教室がある校舎を一通り見てみたけど、見当たらないので特別教室がある校舎へと向かう。
こっちは昼休み中は生徒の出入りがほとんどないので、廊下を通る自分の足音しか聞こえない。
いないのか?
やっぱこっちじゃないのかな?
約束はしてなくても、いつも必ず昼休みに屋上で歌と会っていた。
遅れる時はお互い連絡してたのに、今日はなんの連絡もなく、歌は屋上に来なかった。
心配になってメールをしてみても返信がないので、今度は電話をかけた。
電源は切られてないみたいだけど、一向に繋がらない事に不安を覚えて、こうして探しに来た。