先生に囚われて
あり得ない。

普段の歌とは何もかも、全てが違う。


こんな風に場所や状況も考えず、只々その人物にすべてを委ねて甘えるなんて、一体誰が想像できるんだ。



それが素?

本当はずっと、そうしたかったのか?

なら、なんで……今になって?

なんで……っ、相手がサエちゃんなんだよっ。

いつから知り合いだったんだ?

どうして、今日までお互い話してる素振りもなかったのに……。


歌、何があったんだよ?


疑問と焦燥感と苛立ちが、後から後から沸き上がってくる。


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