先生に囚われて
ずるいよ……。

私だって、もっと名前を呼んでほしい。

もっと私を求めてほしい。


口には出せない願いが涙となって、次から次へと流れでる。


りぃ君は目を見開いて驚いたけど、何も言わずに強引に唇を重ねて舌を絡ませてきた。




その後は、りぃ君に身体中を翻弄させられて、熱に浮かされたように何度も何度も名前を呼んだ。


温もりを感じたくて、
存在を確かめたくて、

背中に回した腕に力を込めて、

爪を立てた。


その均整の取れた美しい身体に刻むように。



こんな事をしても無駄なのに、
結局私も大勢の女の人の中の1人にしかすぎないって分かっているのに……っ。

りぃ君に振り向いてもらいたくて、私だけを見てもらいたい。

だけど、私たちの間には教師と生徒、以外にも壁がある。



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