先生に囚われて
私は、自分自身に誓いをたてた。


―――りぃ君に、『好き』だと伝えないこと。


これは、ずるくて弱い私が自分が傷つかないように、自分を守るための方法。


本当に情けないこんな方法しか思いつかないけど、あなたにとってもきっとそれが一番いいはず。



りぃ君の周りにはいつも女の人の存在があった。

それは私にとって当たり前のことで、今さらどうにかしようと思ったわけではないけど。

りぃ君と初めて肌を重ねてしまってから、その後すぐに襲ってきた嫉妬の波。


りぃ君とのキスも、あの凄まじいまでの快感も。

どれもこれも私だけのものではない。
他の人も知っていること。


ああ……、ダメだ。

ちょっと考えただけでも心臓が潰れそうに痛んで、歯が音が鳴るくらい唇がガクガクと震えている。


< 74 / 282 >

この作品をシェア

pagetop