先生に囚われて
え、ねえ。

誰のせいでこんなめんどくさい状況になったと思ってるんだ。

恨みがましい視線を送っているけど、りぃ君は助けてくれないし、なっちゃんは許してくれない。


「理一といつから会ってんだ?なんで理一の部屋にいんの?どうして俺には連絡くれなかった?」

ひ〜!

答えづらい質問がビシバシ投げかけられる。



「あ、あの……、えっと〜」

何て言えばいいのか分からず答えられないでいると、ソファーに座っていたりぃ君が煙草の火を消すと突然立ち上がった。


「歌、帰るぞ。送ってくから」

スーツとは違い、プルオーバーに黒の細身のパンツ姿のラフな格好のりぃ君。車の鍵を手にし唐突な言動に、


「え?」

「はあ〜!?」

私となっちゃんの困惑の声が重なって部屋に響く。


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