先生に囚われて
聞こえたかな?

腕を引かれて勝手に進む足を気にしながらも、ドアの方を振り返る。


すると、さっそく携帯が鳴りだした。

早っ!
な、なっちゃん?


携帯をスカートのポケットから取り出して名前を確認しようとしたら、横から伸びてきた手に奪われた。


「あ!ちょっ、りぃ君?」

止める間もなく、りぃ君によって電源が落されて静かになった携帯は、なぜかりぃ君のポケットへと戻っていった。


「もぉ、なに?急にどうしたの?」


様子をうかがうために、りぃ君の少し前を歩き顔を覗き込むと、

不機嫌そうなりぃ君と目が合った。


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