ご主人様×わたし×ご主人様
ママに別れを告げ、墓地を出る。
はぁ……。
これから、どうしたらいいんだろう。
気をつかって、うちにおいで、と言ってくれる親戚の人もいた。
だけどわたしも18の大人。
ひとりでしっかりやっていけるって思った。
だから、丁寧に断った。
でも……。
実際今、どうすればいいのかわからない。
大学も落ちて行く所もない。
バイトで食いつないでいくのが無難だけど、それだとママに申し訳ないような気がする。
選り好みができないのは知ってるけど……。

……はぁ。
すっかり考えてしまい、ボンヤリと墓地の前に突っ立っていた。
気付くともうカラスが鳴いていて、わたしはフラフラと帰路についた。
コンビニに寄り、求人情報雑誌とお弁当を買った。

「……ただいま」
静かな家。
誰も「おかえり」とは返してくれない。
さみしい気持ちを紛らわすために、テレビをつけた。
今流行りのお笑い芸人がトークをしている。
冗談を交えた楽しい話術に、観客は大笑いしていた。
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