【短】糸のないマリオネット

朝になって、クゥの主人と奥さんが部屋にやって来た。

マリオネットと一緒に寝ていたクゥは、飛び起きて主人の足にすり寄った。

「おはよう、ご主人!」

“おはよう、クゥ。”

主人はクゥの頭を撫でると、床に倒れたマリオネットに目をやった。

“おい、
 マリオネットの糸が切れてるぞ。”

“まぁ。
 クゥのいたずらかしら。
 悪い子ね。”



“これじゃあ、もう使えないな。”



主人は、マリオネットを拾い上げた。

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