【短】『鏡』
『鏡』
科学は日ごと進歩し、人間たちを飲み込んでいく・・・。

二十世紀末、人間は犬型のロボットを開発し、それは世間の脚光を浴びた。

その頃から、多くの科学者は夢見るようになった。

――――『アンドロイド』開発―――――

人型の、人間に最も近い機械。

彼らと共に暮らしていく。

彼らと解り合って、そして・・・。

どんなに非現実的なものなのかわかっていても、心のどこかで微かな望みを捨てられずにいた。


それ以来、科学は進歩した。

次々と開発される動物型機械(アニマル・アート)。

それは初め、子供たちの玩具だった。

しかし、技術の進歩によって実用化し、いつしか、『人間のために働く機械』として、さらに研究が進められていった。

それは同時に、科学者たちが生み出した芸術だった。
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