【短】『鏡』

二十二世紀。

百年以上の月日が流れ、世界は変わった。

国同士の交流が盛んになり、十二歳以上の学生なら誰でも、留学制度を受けられるようになった。

留学生はその地で何かを学び、その成果を母国で生かすことになる。

それは、異国の文化だったり、言語だったり、時には、科学だったり。


橘 和也（ﾀﾁﾊﾞﾅ ｶｽﾞﾔ）、十五歳。

生まれてから科学者の父・真二（ｼﾝｼﾞ）に育てられる。

彼は留学先で、将来両親のような科学者になるために科学を学び、たった今、帰ってきた。