Snow Song-君といた輝雪-
『キョロキョロしてどうかしましたか?…まさか、アイツらまだ追って来てるんじゃ…』

俺も周りを注意深く見まわした。


だけど周りにはカップルやサラリーマン、学生たちがいるだけだった。


『なんだ…追って来てないじゃんか』

俺はホッして溜め息を着いた。


『みんなに気付かれてないみたいね…』

雪葉は小さな声でふと呟いた。


『えっ?…何ですか?何か言いましたか?』

俺は雪葉の声が小さくて、何を言ったのか聞きとれなかった。


『ううん、何でもない気にしないで』

雪葉はごまかすかのように笑った。


そして、雪葉は少し早いクリスマスムードで賑わう雪の降る繁華街を歩き出した。


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