Snow Song-君といた輝雪-
『いえ…』


『雪下は…君に優しくされるのが辛いんだよ。雪下が言ってた…優しくされれば、別れが辛くなる。死にたくないって気持ちが強くなってしまうって…』

社長のその言葉が俺は痛かった。


『だから、本気で迷惑なんて言ったんじゃないんだ。それだけわかっておいてくれ』

社長はそれだけ言って電話を切った。


雪葉のそんな思いを知った俺は…


目から涙が零れ落ちた。


右腕で何度も涙を拭ったけど…


涙は溢れては雪に落ちて、落ちた涙が雪を溶かしていった。


雪葉…


ごめん…


俺…俺…


君を苦しめていたんだね…。


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