Snow Song-君といた輝雪-
無菌室で眠る雪葉を見つめるたびに…


涙が零れた。


もう…俺には何も出来ないのか?


もう俺には…。


眠っていた雪葉がふと目を覚まし、俺の姿に気付いた。


雪葉はガラスごしに見つめる俺に手招きをした。


俺は看護師さんから消毒済みの服を借り、マスクをはめて無菌室の中に入った。


『優…人…』

雪葉は弱々しい声で俺の名前を呼んだ。


『雪葉…』


『あたし…もうダメみたい…』


『何言ってんだよ!!諦めるなよ!!』


『優人…ごめんね。この前あたし…優人にひどい事言っちゃってさ…』

雪葉はずっとこの前の事を気にしていた。


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