Snow Song-君といた輝雪-
『そんな事…気にしてないよ…』

俺の声は涙声だった。


『どう?優人は自分の…自分だけのオリジナル曲作れた?』


『ううん…』

俺は首を横に振った。


『そっか…優人がミュージシャンになった姿…見たかったな…』

雪葉は残念そうに笑いかけた。


病院からの帰り道…


無菌室にいた雪葉の姿が、俺の瞼に焼き付いて離れなかった。


そして俺は雪葉の事ばかり考えていた。


俺に出来る事…


俺に…。


ふとCDショップのドアに貼られているポスターに、俺は目を止めた。


≪ミュージックフェスティバル 新人アーティストコンテスト≫


ポスターにはそう書かれていた。


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