Snow Song-君といた輝雪-
…雪葉のマンション…雪葉の行きつけのショップ…雪葉のお気に入りの場所…


雪葉のいつもよくいた場所を、社長から聞いて捜し回った。


だけど雪葉はどこにもいなかった。


だって雪葉は…自分だけの思い出の場所よりも、俺との思い出の場所を選んでいたから…。


『雪葉!!』

公園のベンチに座る雪葉を俺は大声で呼んだ。


『優…人…』


『何やってんだよこんなとこで…何やってんだよ病院抜け出して…』

雪葉に駆け寄った俺は雪葉の肩を掴み、怒鳴った。


そんな雪葉の目には涙が浮かんでいた。


『雪葉…!?』


『優人…』

雪葉の声は消え入りそうに震えていた。


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