Snow Song-君といた輝雪-
『あたし…怖い。死ぬのが怖くて、病院を抜け出して…でも公園に来たら来たで真っ暗で…一人ぼっちが怖くて…』

雪葉の震える体がその恐怖感を物語っていた。


俺は震えている雪葉の体をぎゅっと抱きしめた。


『もし…もしも雪葉が暗闇で不安でいるなら、俺が君を照らしてあげるよ。もしも君がいなくなれば、きっと俺が君を見つけだすから…』


『優人…』


今の俺にはこんなことしか出来なかった。


吹き荒れる冬の風が


流れる時を奪い去って


二人の時間を止めてくれ…。


いくら降り積もっても


雪のようにいつかは消えていく…。


< 87 / 96 >

この作品をシェア

pagetop