Snow Song-君といた輝雪-
しばらく走り続け、気がつけば少し早いクリスマスムードで賑わう、繁華街へと来ていた。


『ハァ、ハァ、だ、大丈夫?…ここまで来たらもう追ってこないだろう…』

俺は久しぶりに走ったせいか凄くしんどかった。


俺って運動不足だなって、ふと痛感した。


『助けてくれてありがとう』

息を切らしてる俺とは違って、彼女は平然としているように見えた。


『いえ…無事で良かったです』


『あなた名前は?』

『えっ!?…橘 優人って言います。あなたは?』


『あたし?あたしは…ゆ、雪葉“ユキハ”』


『雪葉さんか…良い名前ですね』


『…そうかしら?』

彼女はそう言って、急にキョロキョロ周りを見まわした。

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